住宅を購入する際に多くの人が避けては通れないのが「お金」の問題です。その代表が「住宅ローン」。前回は金利タイプについてご紹介しましたが、今回は「実際の金利を確認する」方法のひとつをご紹介します。
実際の金利って?
実際の金利とは何でしょうか?
実は、金融機関ごとに設定されて店頭やHPで紹介している金利は、実際の金利とは異なる場合がほとんどなんです!
その理由は、各金融機関が独自に設定している「優遇金利」によって金利が異なるから。詳しく解説していきますね。
「優遇金利」と適用条件を確認しよう
では、優遇金利とは一体何でしょう?
優遇金利とは、適用条件を満たすことで住宅ローン金利が優遇(=割引)されることです。
住宅ローンを扱う金融機関は多く、大手銀行や地方銀行、ネット銀行などでも住宅ローンの取り扱いがあります。金融機関は、独自の優遇条件を打ち出し、差別化を図っています。
ちなみに、優遇金利は通常、「1.4%の優遇金利」という風に提示されます。この意味は、金利自体が1.4%になるという意味ではなく、店頭金利から1.4%差し引くという意味です。つまり、店頭金利が2.4%の場合は2.4-1.4=1となり、実際の金利は1%ということになります。
優遇金利の適用条件は金融機関によって異なり、条件の数も異なりますが、一般的な条件をみてみましょう。
・給与振込口座を開設
・ネットバンキングの利用契約
・収入や勤務形態が条件を満たす
・借り入れる人の年齢
・自己資金が条件を満たす
優遇金利が良くても、条件を満たせるかどうかは、個人によって異なります。収入や勤務形態はすぐには変えられないですし、給与振込も勤務先の指定があれば変更が難しい場合もあるでしょう。
また、固定金利の代表的な商品「フラット35」には、金利がさらに低い「フラット35S」という商品があり、耐震性・バリアフリー性・耐久性・省エネルギー性などに優れた高品質住宅の場合に適応されます。固定金利を検討する場合は、こちらの商品も検討してみましょう。
なお、変動金利の場合、店頭金利が上がれば優遇金利も上がるので、注意してくださいね。
「優遇金利」の種類と注意点
優遇金利には種類があり、大きく分けて2種類あります。
ひとつは「当初優遇」と言われる、借り入れから一定期間の優遇金利とその期間を過ぎた後の優遇金利の設定があるプラン。一定期間内の優遇金利の条件が良いのが特徴です。
もうひとつは「全期間優遇」と言われる、ずっと優遇金利が変わらないプラン。店頭金利を基準とした優遇金利なので、変動の可能性もありますが、比較的安定した返済計画を立てられるのが特徴です。
金利の設定は金融会社が独自におこなうので、店頭金利が低く優遇金利が低い金融機関もあれば、店頭金利が高く優遇金利が高い金融機関もあります。また、優遇金利の種類によっても、金融機関ごとに返済金額が変わります。
金利だけでもたくさんの種類や条件があるので、自身の返済計画をしっかりと考えて住宅ローンを組む金融機関を決定することをおすすめします。
次回は、見落としがちな「返済金以外の諸経費」についてお伝えします。