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今、人と地球が病んでいる……?
「地球温暖化」の異常現象による40度を超える暑さ、0度を下回る寒さ、大型化する台風や暴風雨、大地震や火災。
このような災害が頻発する時代に求められる、これからの家づくりとはどのようなものか。
煉瓦の家(レンガ積みの家)は災害に強く、安心・安全に家族を守ります。
なぜレンガ積みの家が今の時代に適応するのか。そんな『レンガ積みの家』が選ばれる5つの理由、メリット、デメリット、地球温暖化、煉瓦積みの歴史などについて、レンガ積みの家建築実績が豊富な千葉県木更津市の工務店が、くわしく解説していきます。
『レンガ積みの家』が選ばれる5つの理由
Reason 1. 大型台風、大地震、火災にも強い、頑丈な構造
レンガは耐久性が高く、圧縮や摩耗、耐水にも強い優れた建材です。自然素材だけで出来たレンガは1140℃の高熱で焼き上げられ、セラミックのように高硬度高耐久となります。
『レンガ積みの家』は、在来工法と面構造を合わせた耐久性の高い構造躯体がベース。この外側から、1万個以上の厚さ70㎜もの断熱耐火レンガが積まれ、タテとヨコに張り巡らされた鉄筋により木造軸組みに固定されます。
地震に強い高耐久木造が、レンガという外壁の断熱耐火の鎧をまとうことで、なによりも強く安心安全な家を実現します。
「レンガ積みの家」耐震実験
日本は全国で86の活火山を有する地震列島だという事を忘れてはいけません。1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災は衝撃的な大地震で6400人以上の犠牲者を出しましたが、死因の83.7%が建物、家具の転倒や倒壊による圧死、有毒ガスによる窒息死でした。
2011年~2020年でマグニチュード6.0以上の地震は、全世界の約18%が日本の周辺で発生しています。このような環境のなか、新耐震基準住宅の80%以上が、最も新しい耐震基準を満たしていないのが実情です。(2021年3月4日発表、日本木耐協)
日本の住宅のストック総数が約6200万戸ですから、新耐震基準に満たない建築物、いわゆる既存不適格建築物は全国に約4960万戸もあります。阪神·淡路大震災クラスの地震に耐えられないという驚くべき結果になります。
2008年7月24日に茨城県つくば市「独立法人土木研究所」において、世界初となる『レンガ積みの家』の耐震実験を実施しました。
阪神淡路大震災の震度7の1.5倍の地震動を加え、連続して中越沖地震の震度6の1.2倍の地震動を一日に計4回建物に加えました。
一般的な2階建ての家では150mmの変形角が見られますが、『レンガ積みの家』では、1回目4mm、2回目8mm、3回目12mm、4回目18mm、一日に大地震に4回見舞われても高い安全性が実証されました。
『レンガ積みの家』は特殊耐震金具を使用しているため、全く損傷は見当たりませんでした。また、一般的な耐震工法からは比較できない耐震強度の数値を叩き出しました。
詳しくは、“レンガ積みの家 耐震実験の動画”をご覧ください。
「レンガ積みの家」耐火実験
地震の二次災害として、火災に対する耐火性も重要になってきます。
火災は自身や家族が気をつけていても、隣の家や近所の火が燃え移るという危険性があります。また、化学物質を使用した新建材が燃えると有毒ガスを発生して窒息死するということも忘れてはなりません。
2001年9月1日、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで起きた火災では44名が死亡し、日本では戦後5番目の大惨事になりました。
死亡原因は、一酸化炭素中毒で死亡したことが明らかになりました。つまり、化学物質が燃えて、そこから発生した有毒ガスが死亡原因となっているといっても過言ではないでしょう。
レンガ積みの家では、2007年11月16日大阪府吹田市「財団法人日本建築総合試験場」にて外壁防火性能試験が実施されました。
断熱·耐火レンガの壁を試験専用の窯に入れ、レンガの表面を840℃まで30分加熱しました。一般的な防火サイティングは構造体の木材部分の温度が440度になるところで燃え始めるのに対し、レンガ積みの家の壁では30分経たっても構造体の木材部分の温度は68度のままでした。そして、レンガ中心部分は278℃になったのに対して、室内側の壁の温度はわずか28℃でした。
試験後に外した木材、断熱材部分にも物理的変化は見られませんでした。また、840度で包まれたレンガ壁の表面は白くなってはいましたが、セラミック化してより固くなった状態でした。
煉瓦はもともと古くから熱を伝えにくい素材として、煙突や陶器に使われてきました。およそ1140度で焼き上げられたテラコッタ煉瓦は熱も炎も通しません。これにより、レンガの耐火、耐熱性が実証されました。
詳しくは、“レンガ積みの家 耐火実験の動画”をご覧ください。
「レンガ積みの家」対「レンガを使用した建物」
従来のレンガ積みの建築物は、モルタルを用いてレンガを積み重ねる「湿式工法」により壁面を構成していました。
このような壁面は、モルタルの接着力によって各々のレンガの一体化を図っているため、構造体としての充分な強度を得られません。
特に、地震の際にレンガ壁面にかかる水平荷重に対してはほとんど耐えられず、地震の多い日本においては普及に障害があるといわれています。
なぜ『レンガ積みの家』が他のレンガを使った建物と違い、地震に対する強度を保つ強い建物になるのでしょうか。
その要因として『レンガ積みの家』の外壁は、レンガ同士を横鉄筋と縦鉄筋をくまなく配置して連結することで、充分な構造強度が得られなかった欠点を効率的に解決し、暴風·地震などの災害に対して非常に強い構造建築を形成することができるのです。
鉄筋によって木造軸組に固定されることで、レンガ自体の強度と高耐久木造軸組の強度が合わさり、より頑強な躯体構造になっていることが実証されています。
また建物躯体の外側に通気層を設けてレンガ壁面を構築することにより、建物の外装仕上げと同時に、断熱性及び耐久性の向上を図ることができるようになりました。
このように構成したことにより、レンガによる外装仕上げと同時に空間層が建物躯体に対して断熱効果を発揮することになり、冷暖房効率の優れた建物にすることができたのです。
住宅の施工方法には様々なものがあります。
実際は耐震工法の基準がクリアしているものでも、壁の強度や建築材料の強度を住宅の強度として計上しているのが実態で、住宅の構造計算をしたものをしっかり把握しておく必要があります。
住宅の構造とは調和とバランスが最も大切であり、同じ材料だとしてもより良い施工方法をすると、相乗効果で住空間にも良い影響をもたらします。
Reason 2. 湿気に強く、経年劣化が少ない、省メンテナンスで経済的
レンガは経年劣化が少ないこともメリットのひとつです。また湿気に強く汚れづらい特徴を持ちます。外壁の塗り替えや張り替えも必要がなく、長期間メンテナンスが不要なので、ランニングコストを抑えるレンガのコストパフォーマンスはとても高いのです。
Reason 3. 遮熱性、遮音性にすぐれ、省エネ効果の高い、静かで快適な室内環境
夏の暑い日差しをレンガが遮熱し、室内に熱を伝えません。断熱材の効果とは異なる外断熱の効果があり、省エネ効果も高くなります。
断熱性、遮音性に優れるため、静かで快適な室内環境を実現できます。
Reason 4. 刻を重ねるごとに味わい深くなる、美しいデザイン性
装飾性のよいテラコッタレンガを使用し、自然な焼きムラが生み出す色の変化が、見た目にもあたたかみのある外観をつくります。
1万個以上のテラコッタレンガを、職人が一つひとつ丁寧に手作業で積み上げていくので、細部に職人の技術があらわれます。 本物のレンガの重厚感とナチュラルな質感は、時が流れても色あせず、さらに深い味わいを与えてくれるでしょう。
Reason 5. 世代を超えて住み継がれる高い資産価値
欧米では100年以上何世代にも受け継がれている家が多くあります。頑丈な構造と、高耐久で長寿命のレンガ積みの家は、きちんと管理しメンテナンスしていくことで、世代を超えて住み継がれる、資産価値の高い家です。
住宅の資金計画はライフサイクルコストという考え方がとても重要です。
日本の住宅の平均寿命は25年です。100年以上の省エネ、耐久性を持つ『レンガ積みの家』と親子三代の資金計画を考えた場合、100年間で省エネ、耐久性を持つ『レンガ積みの家』は約2億円以上の出費が抑えられます。
『レンガ積みの家』と一般の住宅は、価格差がそれほどあるわけではありません。
例えば、25年で建替える一般住宅と、『レンガ積みの家』を比較してみると…
建築費は共に2500万円、借入利息は共に約1000万円と変わりません。
一般住宅の1年間の光熱費はオール電化仕様で約60万円、『レンガ積みの家』オール電化仕様で約12万円。
一般住宅の火災保険が5年間で約18万円、『レンガ積みの家』の火災保険が約8万円。これが1年目に掛る費用として計算します。
10年後には、一般住宅…光熱費·破風·鼻隠し塗装·シロアリ駆除·外部塗装·軒天塗装·冷暖房器具交換·コーキング工事に伴う外部足場工事·水道蛇口交換などで総額約555万円。
『レンガ積みの家』…光熱費·設備工事·水道蛇口工事などで総額約128万円となります。
建替え時期の25年を累計してみると、実際に一般の住宅では5年から10年が経った段階で、およそ2倍以上修繕費が必要になってきます。
さらに、25年が経つと再度2500万円の新築工事費が掛ってきます。100年間で計算してみると一般住宅は25年ごとに建替えると仮定し、『レンガ積みの家』は25年ごとに補修や修理をすると仮定すると、総額は『レンガ積みの家』が約7300万円であるのに対して、一般住宅では約2億7000万円以上にもなります。
これを1ヶ月単位で計算すると『レンガ積みの家』では約6万円で済むのに対して、一般住宅では23万円がかかる計算になります。
このように実際に金額にしてみると、天と地との差があることがよくお分かりになると思います。
資金計画とは、銀行からいくら借りられるかとか、今の家賃より得だとか、一部のことではなく全体を把握することがとても大切なことなのです。
極寒、過酷な所でも安心・安全
煉瓦の家(レンガ積みの家)と聞くと3匹の子豚の煉瓦の家を思い浮かべるかもしれません。レンガは強いというイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。
富山県の天狗平の冬の気温はマイナス15度になる時もあるそうです。そこにある天狗平山荘の最初の外壁はサイティングで、風害と雪と凍害で常に修理していたそうです。そこで外壁をレンガ積みに変えたら、省メンテナンスになり、8台使っていたダルマストーブも2台の使用で済むようになったそうです。このように過酷なところでも『レンガ積みの家』の安心・安全と高い断熱性が確認できました。
知っておきたいレンガ積みの家のデメリット
デメリット1
外壁の施工費がコストアップになります。
しかし長期で考えるとメリットになります。一般の35坪の家を10年毎にメンテナンスして行ったら30年間で約750万円。レンガ積みの外壁のメンテナンスは無く、初期費用はプラス約350万円、差し引きすると300万円もお得になります。
デメリット2
レンガ積みの職人が不足している現状があり、工期が少し長くなる。しかし、レンガ積みの設計・施工にトータルに精通している会社であれば、それもカバーできるでしょう。
デメリット3
増築や改築が難しい。しかし、レンガ積みの設計・施工にトータルに精通している会社であればそれもカバーできます。
デメリット4
レンガ積みの設計・施工にトータルに精通している会社、レンガ積みの職人が少ない。
地球温暖化を救う『レンガ積みの家』
「地球温暖化」と聞くと、多くの方は「気温が上昇する」「災害が多くなる」というイメージを持つと思いますが、「冬が寒くなる」という異常な現象も、地球温暖化現象の一つです。
地球温暖化の冬の寒さの大きな原因は、北極海の氷の減少と言われています。
溶けた氷が大気へ熱を放出して北極付近の気圧を高くし、北極と中緯度地方の温度差が小さくなり、北極の寒気が日本に流れ込みやすくなります。
このような現象が、冬の寒さに拍車をかけているのです。
このまま地球温暖化が進むと、「日本の冬は今よりも寒くなる」という現象が、頻繁に起こる未来が来るかもしれません。夏は外の温度が40度を超える地域が増え、冬にはシベリアの寒気が九州までを蔽い、0度を下回る地域が増えてきます。
『レンガ積みの家』の外壁は、夏は遮熱して冬は蓄熱し、一年中快適な空間を創り省エネルギーでCO₂を削減して、地球温暖化に貢献します。
煉瓦の歴史
煉瓦はいつ頃から作られて、どこから伝わって来た材料なのでしょうか?
エジプト・メソポタミア・インダス・黄河の古代四大文明において、同時発生的にそれぞれ独自に煉瓦が作られ、使われています。
煉瓦は人間の身近にある「土」を使って作るため、世界各地で最も古くから使われてきた建築材料のひとつです。
紀元前4000年からの約1000年間は、土を固めて太陽の熱で干しただけの日干し煉瓦が使用されていました。紀元前3000年頃からは土を固めて干して、さらに焼いた煉瓦、焼成(しょうせい)煉瓦が使用され始めました。
煉瓦が建築材料として使用されるようになったのはメソポタミア文明の時代からです。
チグリス川、ユーフラテス川にわたる広い範囲でレンガ積み建築が発展してきました。大型の建造物の内部の壁には日干しレンガを使用し、焼成レンガはそれを保護するために外壁の仕上げに使われて来ました。
紀元前1600年頃から金型を使って様々な形に表面を細工した焼成レンガも多く使われるようになり、紀元前700年頃から湿式法を用いたレンガ積みの多くの重要な建築物が作られ始めました。メソポタミア文明後の、エジプトで煉瓦を使用した建築物、煉瓦の技術が地中海沿岸や中国、インドに伝わったと考えられています。
煉瓦建築は19世紀まではあまり変化を遂げず、今からおおよそ200年ほど前に発動機が導入されるようになり、成形工程を機械化させることで煉瓦生産の技術が変わりました。ヨーロッパでは煉瓦は多くの建物に用いられています。
煉瓦の外壁はペンキを塗り替える必要もなく省メンテナンス、火事に対して強く腐らないという長所もあり、古くなれば味が出てきます。
また、建物の断熱層を厚くして壁をつくれば、冬暖かく、夏は涼しい快適な空間となります。
居心地が良くてデザイン性にもすぐれ、省エネでお得、これが煉瓦なのです。
煉瓦の赤い色の素は焼き上げる時に、空気中の酸素と土の鉄分が結びついて酸化鉄となります。これが赤い色となるのです。
日本で最初に造られた煉瓦建築は幕末の反射炉です。銀座の煉瓦街の建設は大量の煉瓦を必要としたので、東京の小菅に煉瓦工場が築かれました。明治の中期には煉瓦職人も増え、一般的な技術になりましたが、関東大震災以降、耐震性の問題から、鉄筋コンクリート造が主流になって来ています。
日本の代表的なレンガ積みの建物
北海道庁赤れんが庁舎、韮山反射炉、富岡製糸場、横浜赤レンガ倉庫、横浜開港記念館、舞鶴赤レンガ倉庫群、聖ヨハネ教会(博物館明治村に復元)、国際子ども図書館、東京駅、赤坂離宮、法務省、立教大学、同志社大学、大阪市中央公会堂、神戸文学館、姫路市立美術館、今村カトリック教会などがあげられます。福岡市文学館は国の重要文化財でもあります。
まとめ
世代を超えて住み継がれる『レンガ積みの家』。100年経っても色あせない美しさと居心地の良さ。
大型台風・大地震・火災に強い頑丈な構造、時代に左右されずどの街並みにも馴染む美しい佇まい。
高耐久で長寿命、資産価値の高い仁・幸夢店の『レンガ積みの家』は、永きに渡り輝き続け愛着がわく家です。
健康で快適、省エネルギーな住まいに、古くから愛され続けるレンガを使った、
世代を超えて住み継がれる『レンガ積みの家』を仁・幸夢店はつくります。
あとがき
家は生涯で最も大きな買い物です。家づくりに後悔しないために、ぜひお願いしたいことがあります。
皆様が物を買う時を思い出してください。服を買うのであれば試着をします。車であれば試乗されると思います。それと同様に家の購入を検討される際も、ぜひ体感宿泊を行っていただきたいのです。
家は高額であるにも関わらず、住宅展示場に短時間いた程度では、生活のイメージや住環境が本当に自分や家族に合ったものなのか実感はなかなかつかめないものです。
人間の五感はとても正直にはたらいてくれるので、自分や家族に合った家なのかどうかは体感宿泊で感じる事ができるはずです。
「建ててみないと分からない」のではなく、ぜひ体感をしてみてください。
高度成長とともに乱立してきた大量生産が可能な化学素材で占められた家とは決別して、本物の家に住めるように願っております。
これから土地の購入、住宅、マンションの新築、リフォーム、リノベーションをご計画の方に、仁・幸夢店ではより詳しくお伝えするために対面、オンラインどちらでもご相談承ります。お気軽にお問い合わせください。
<筆者プロフィール>
長谷川仁龍
住まいのトータルコンサルタント。
仁・幸夢店株式会社代表取締役、(社)国際風水科学協会副理事長、(社)日本建築医学協会副理事長、NPO法人日本自然素材研究開発協議会理事。
シンガポール国立大学 LKY公共政策大学院地政学プログラム修了。
松永修岳大阿闍梨のもと、様々な加行を経て、伝法灌頂を授かる。
東京都吉祥寺にて前の歌舞伎座を手掛けた棟梁に大工として師事。
神社・仏閣・お茶室・一般住宅・RC造・鉄骨造・防音工事など、幅広く教えを乞う。
23歳で仁・幸夢店を設立、建築業を開始。
33歳の時余命を宣告され、真の健康住宅の必要性を感じる。
高性能・風水科学、建築医学、最先端の知識を活用し、住む人々が財・体・心の健康を整え、豊かな人生が歩める住まい創りのプロデュースを行う。
【主な著書】
『しあわせを育む風水健康と幸運を呼ぶ家づくりの秘訣』
『しあわせになれる200年健康エコエネルギーの家』
『家族が幸せになれるほんとうにいい家』
『100年長持ちするレンガ積みの家の秘密』
(以上、エール出版社)