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「住環境が人を創り、家が身心を癒やし豊かな未来を創る」
人生の中で最も長く時間を過ごす場所は、「家にいる時間」です。
一日に約3分の2(約16,7時間)を過ごす住まい環境から、さまざまな情報が無意識に五感を通し取り入れられ、財・体・心の三つの健康への影響を及ぼしています。
その住まい環境を向上させることで暮らしの質が変わり、今後の人生のクオリティ・オブ・ライフの向上に繋がります。
1948年、世界保健機関(WHO)では、「健康とは、肉体的(体)、精神的(心)、そして社会的(財)に、完全に良好な状態であり、単に疾病や虚弱さがないということだけではない」と定義されています。そして、冬の最低室温は18度以上に、特に高齢者と小児はさらに暖かくするように勧めています。
イギリスの室温の指針では、国の推奨温度は21度以上とし、許容温度は18度以上と指針を示しています。全室温が18度以上に保たれない家は売ることも、貸すこともできないように法律が定められています。そして、アパート、借家は解体命令が出ます。かたや、日本では全室温が18度以上に保たれる家は、10%あるかないかです。
イギリスでは、家の寒さと死亡率の関係を研究しています。室温18度では、許容範囲。16度未満では、呼吸器系疾患に影響あり。9~12度では、血圧上昇、心血管疾患リスク。5度以下では、低体温リスクなどがあると発表されています。
財・体・心の整った真の健康住宅
家を新築したり、リフォーム(一戸建て、マンション)をして家族が病気になったり、心が病んだり、経済的に苦しんだりしているというお話をよく耳にします。単に価格や好みに拠って建てたり、リフォームした結果、その後の人生を台無しにしたという声は決して少なくありません。
これからお子様を育てる家庭、老後を迎えていく家庭、家について必要なものや価値の置きどころは人それぞれ違います。しかし、住環境を改善して、財・体・心の三つの健康のバランスを整えることは重要です。
どんなに財産が多くあっても体が不自由、心が病んでいたのでは健康への幸福感は感じられないでしょう。体と心が健康であっても財がなければ社会的に利他的な行動は出来ず幸福感は感じられません。
「建築医学」が目指す家は、そこに住む方の肉体的(体)な健康やストレス緩和にとどまらず、高性能・空気・風水・デザイン・形・間取り・色彩・光・香り・音・磁気・素材・外構・庭などを、トータルコーディネイトして環境を整えることで精神的(心)な癒しを与え心が育み、家族が幸福・円満に心身ともに健やかに過ごせる空間を創出し、人間関係を整えます。
その住環境が社会的(財)に良好な状態まで創出する、財・体・心の整った「真の健康住宅」と考えています。
住環境が思考や判断力を培う
「真の健康住宅」の基礎となす12の要素、空気、風水、土地、磁気、デザイン・形、間取り、光・色、香り、音、外構・庭、素材、高性能が整い洗練した住環境が、無意識に五感を通しさまざまな情報を取り入れ、クオリティオブライフの向上に繋がっていくと考えます。
これらの項目(要素)はすべてが等しく重要なキーとなっています。どれ一つ欠けても、そこに住む方に潜在的な不満の種となる要素なのです。反対にこのすべてを満たしてあげさえすれば、自然に家がしあわせを運んでくれます。そして確実に「真の健康住宅」が実現できます。
「環境」(住まい・オフィス・周辺)が脳や心身に直接働きかけ、住む方の能力や対人関係の基礎となる思考や判断を形成し、健康や病気、成功や失敗、裕福や貧困などの現実が生み出されています。
日本人の60パーセント以上が三大生活習慣病である「がん」「脳卒中」「心筋梗塞」によって亡くなっています。この生活習慣病と住まい環境とは密接な関係にある、ということが分かってきました。つまり、住環境や職場環境から来る様々な環境ストレスが、生活習慣病の大きな原因と考えられるのです。
「環境」とは、一生を最も長く過ごす場であり、家の創りよう一つで健康や病気を左右するだけでなく、人生を成功させることも失敗に導くことすら可能です。
「住環境が思考や判断力を培い」、源泉となる無意識を創り上げています。住環境の良い場に身を置けば、思考は研ぎ澄まされ、良い思考は良い行動を生み出します。反対に、住環境の悪い場に住むと、思考がまとまらず、過ちを繰り返します。情報の良し悪しは能力に直結し、良い情報は脳を活性化させ、脳を中心とした感覚器官全体に影響を及ぼします。ご自身や家族の能力を最大限高める上でも家は重要です。
五感で感じる住まい
「五感で感じる建築医学の家」は、住まう方の立場に寄りそって、デザイン・形、間取り、壁の色や光・照明など科学的根拠に基づき決めていきます。曲線や高低差(スキップフロアなど)で構成される室内も、心理学的に穏やかな気分に導き、運動機能にも役立ちます。また、心落ち着く絵を飾るなどは、視覚に刺激を与える有効な方法です。
静かな吸音性の高い室内は居心地の良い空間になり、穏やかな睡眠や集中力を高めます。
木の温もりや天燃素材の肌触り・手触りを大切にした家は、触覚に刺激を与えることに役立ちます。
また、冬暖かく、夏涼しく感じられる家は、空気に触れる心地よさです。
木の香りがする家は、森林で深呼吸しているかのようで、有害化学物質や有害電磁波の影響が少ない環境です。
さらに、結露を原因としたカビの発生を抑えられるのは、「高い性能の高断熱・高気密・計画換気の家」で、カビや湿気の不快感とは無縁な暮らしになるでしょう。
このように、家の中で五感に繰り返し与えられる刺激は、住んでいるだけで五感が研ぎ澄まされ、子どもの脳は健全に育っていき、老後を迎えていく方の脳も、活性化していき豊かな未来へと繋がると考えます。
土地・磁気・氣(気)は、「財・体・心」の三つの健康に影響する
家族の幸せ、円満な暮らし、仕事運(商売)がよくなるには、家族全員、社員全員が、肉体的(体)、精神的(心)、社会的(財)に、三つのことが、真に健康でなくてはなりません。
「土地」
「土地」は住む方と家族、社員全員の健康と幸せと円満の基礎をなします。家、オフィスの建っている場所、周辺環境の影響が最も大きいのです。どんなにお金をかけて素晴らしい家を建てても、土地その物が良いエネルギーを発していなければ、その家は無意味なものになってしまいます。
家はお金で買うことができますが、土地周辺の環境まで自分の力で変えることはできません。家を建てる場合、最初に周辺の環境や道路事情、ハザードマップ等をよく確認しておく必要があります。
「建築医学」では土地に勢いがあるか、土地の形はどうか、気は集まっているか土地の周囲からもたらされる気などを含めて、環境からの影響を重視します。
良い気エネルギーを出している土地では植物がよく育ち、人間にもパワーを与え、体と心を健康にしてくれる作用があります。家そのものだけでなく、家のまわりの環境がどのような状態になっているかによって、風水上から良いか悪いかは変わってくるのです。土地や環境によって運氣は変わるものです。
「自然景観が良い」。海が見えたり、平野が見えたり、山が見えたり、こうした見晴らしの良い所に住んでいたら、毎日リゾート気分で気持ちよく過ごせます。そして、夜景がきれいだと、心と脳の沈静化に役立ちます。
ロケーションの良い所に住んでいる方は、脳内環境が良く、脳には良い情報が絶えず入力されています。
適度な起伏のある土地に住むと心身が癒される
気には「陰の気」と「陽の気」があり、このバランスが重要です。
起伏の高いところが陽の気であり、低いところが陰の気です。
起伏のあるところは陰陽のバランスがとれて人間を心地良くします。
自然景観が開けていないところに住む場合は、家の中に自然の風景画を掛けたりすると良いでしょう。また、小さめの樹木を朝日の入る場所に置いたり、玄関には緑の物を置くことをお薦めします。
自然界には独特の変化のリズムがあることが、分かってきました。それは「1/fゆらぎ」と呼ばれています。この変化のリズムが生体に良い影響を与えます。
例えば「1/fゆらぎ」を持った音楽を聴いたりすると、深いリラツクスが起こります。これは様々な実験によって検証されています。
人間に心地良く感じる変化のリズム、これは土地の起伏においても同様です。ゆるやかな起伏がある状態が人を心地良くさせるのです。それは、経済的に豊かな方の多くが、心地良さとはどんな感覚なのかを、知っているからだと考えられます。東京でも広尾、田園調布、成城、麻布といった起伏のある地域に高額所得者が集まっています。
そして、起伏のない平坦なところには近くに川があったり、湿気が多かったりするケースが多いものです。起伏のないところはよい氣が集まりません。起伏がないと締まりがなく、ゆらぎがなく、心地良さが生まれないのです。
適度な起伏があることが人間を心地良くさせるのです。土地だけでなく、気候にも適度な変化があることで、良い氣が起こります。季節感があることは重要です。季節感の少ない所ほど発展力が乏しいし、経済力も弱いものです。
適度な変化がないと人間の脳は活性化せず、心地良さが発生しません。人間は変化を楽しむように生まれついています。平坦なところには眺めがありません。起伏のあるところ、眺めの良いところから街のチカチカした明かりを見ていると、脳波がアルファー波になり、脳を沈静化するのに効果があります。
道路よりも低い土地や低地は避ける
道路より土地が低いと、まず水が流れてきます。水が玄関まで来ていると、どうしても表に出たときに、地面が不安定になって不快感が増します。不快感が多い環境にいつも暮らしていれば、自然と人間は攻撃的な性格になってしまいます。
さらに、湿気が多いので、住む方は病気がちになります。湿気が多い所ほど陰湿な性格になりやすく、鬱状態にもなりやすい傾向があります。
水は高いところから低いところへと流れます。低いところに住んでいると水が流れて来て、家が早く傷みやすくなります。
そして、汚れた気も高きより低きへと落ちる性質を持っています。それゆえ汚い気が家の中にどんどん入ってきます。排気ガスも家の中に入りやすいのです。
悪い空気によって家を攻められているような状態が、争いの気持ちを生んでしまうのです。いつも家から外に出たときに、カラッとして眺めがよくて、見晴らしが良いことが、いい風水の土地の条件です。
土地選びのポイント
他にも道路の巾や道路と敷地との関係や、土地の形や磁場が狂った土地は避けるなど土地選びのポイントは様々あります。
周囲に公害がないこと、悪臭がしないこと、騒音がないことは、そこに住む方の心の健康に大きく関係します。心と脳がつながっているのです。脳はもともと外の世界に向けられた器官であるため、室内の状況や家のまわりの環境に影響を受けやすいのです。
「氣(気)エネルギー」
古くに創建された神社や寺院がある土地はどこも気エネルギーが高く、昔の方はそれを見抜く力を持っていたのでしょう。悪い土地というのは、たとえば袋小路になっているような場所です。行き止まりで良い気が入ってこないので、土地に生気がなくなってしまうのです。樹木や植物が育たない土地など、磁場が低いところは人間にとっても良い土地とはいえません。
自然景観が良く、植物がよく育っているような場所であれば、その土地には必ず良い氣が流れており、脳にも良い影響を与えています。土地には磁力線が流れており、良い気エネルギーを出している土地では植物が育ち、人間にもパワーを与え、身体を健康にしてくれる作用があります。
「磁気」
土地には磁力線が流れており、良い気エネルギーを出している土地では植物が育ち、人間にもパワーを与え、心と体を健康にしてくれる作用があります。
風水では「気」が磁気を発生させ、磁気は「気」を活性化させるといいます。
その土地の磁場が低ければ、気を活性化させることはできません。
「地磁気」が弱まったり、その流れる方向が変わったりすれば、物質の安定に関わる「気エネルギー」が弱められ、生物の生命力も低下していきます。
人間の心と脳は正常な地磁気の状態で正常な働きをするようになっていますから、地磁気が不足したり過剰だったりする場所では、判断を誤ったり本来の自分でいられなくなったりします。
土地のエネルギーは気の流れに影響を及ぼし、さらには人間の血流にも関係しています。もしも土地にエネルギーがないと、そこに住む方の血流が悪くなったり、身体が蝕まれていくということにもつながるのです。人体を常に正常に保とうとする力をホメオスタシー(恒常性)といいます。
これを維持するために磁気が作用しており、人間の血液は磁気の影響を受けてイオン化されていないものがイオン化され、血液が活性化され、血液循環が良くなるといいます。
鉄やコンクリートで造られたビルやマンションは磁気を遮断することがあり、そのような建物では磁場が低くなり、その中で働く人々は健康を害してしまうこともあります。
建築医学では敷地を第一に考え土壌をできるだけあらわにし、コンクリートや敷石などを余分に配置せず、植栽することをお勧めします。
土壌からのエネルギーを止めないようにして健康運・事業運・家庭運・財産運・恋愛運・対人運・学業運などの運氣を高められるようにしましょう。
まとめ
「住環境が人を創り、家が身心を癒やし豊かな未来を創る」
人は無意識のうちに、環境から影響を受けています。長い時間を過ごす住まいの環境がいかに大事かということが分かります。
健康でいるためにも住環境を整えることがとても大切です。土地選び、そして住まいづくりは環境の影響を考慮して進めるとよいでしょう。
仁・幸夢店は、家族が円満に健康で幸せに安心・安全に暮らせる、しあわせになれる家を創り続けています。
施工エリアは千葉県、東京都、神奈川県、埼玉県、茨城県他です。
これから土地探し、住宅、マンションの新築、リフォーム、リノベーションをご計画の方に、仁・幸夢店ではより詳しくお伝えするために対面、オンラインどちらでもご相談承ります。お気軽にお問い合わせください。
<筆者プロフィール>
長谷川仁龍
住まいのトータルコンサルタント。
仁・幸夢店株式会社代表取締役、(社)国際風水科学協会副理事長、(社)日本建築医学協会副理事長、NPO法人日本自然素材研究開発協議会理事。
シンガポール国立大学 LKY公共政策大学院地政学プログラム修了。
松永修岳大阿闍梨のもと、様々な加行を経て、伝法灌頂を授かる。
東京都吉祥寺にて前の歌舞伎座を手掛けた棟梁に大工として師事。
神社・仏閣・お茶室・一般住宅・RC造・鉄骨造・防音工事など、幅広く教えを乞う。
23歳で仁・幸夢店を設立、建築業を開始。
33歳の時余命を宣告され、真の健康住宅の必要性を感じる。
高性能・風水科学、建築医学、最先端の知識を活用し、住む人々が財・体・心の健康を整え、豊かな人生が歩める住まい創りのプロデュースを行う。
【主な著書】
『しあわせを育む風水健康と幸運を呼ぶ家づくりの秘訣』
『しあわせになれる200年健康エコエネルギーの家』
『家族が幸せになれるほんとうにいい家』
『100年長持ちするレンガ積みの家の秘密』
(以上、エール出版社)