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家は住む人の健康と命を守るシェルターであり家族を育む究極の器
#住宅性能 #健康住宅

家は住む人の健康と命を守るシェルターであり家族を育む究極の器

従来の家は、使い勝手や利便性、それにデザイン性ばかりが重視されてきました。
それだけでは、家の寿命は短く、冷暖房してもなかなか快適な環境を得ることはできず、住む方の健康に配慮できない家になっていました。
家は住む人の健康、命を守るシェルターであり、家族を育む究極の器であるということを、千葉県木更津市の工務店がくわしく解説いたします。

平安時代、吉田兼好が徒然草で記した、「家は夏を旨とすべし」の考えから脱却しはじめた昨今も、利便性やデザイン性ばかりが求められ、あとは価格が高いか安いかといった話にしかなりません。
もちろん、使い勝手や利便性は持つべき性能のひとつです。無駄なコストを避けることも、大切な要素ではあるでしょう。

しかし、家の役割・本質を考えるなら、まず基本はストレスなく健康、快適に、家族が円満に生活できる住環境を整えることが第一です。
そこをおろそかにしてしまうために、日本の家は不満だらけとなり、結果短期間で建て替えられる建物となるのです。
この悪循環から脱却するには、「真の健康住宅」を建築することです。

それも巷で宣伝しているレベルの性能ではなく、わが国でも最高レベルの性能を有した、断熱等性能等級6、7(HEAT20/G2、G3)以上の「パッシブ高性能住宅」を建築することです。

昨今は、高気密・高断熱住宅の普及が進み、さらには自然素材やノンホルムなど様々な健康素材が増えたことから「健康住宅」と謳う住宅が増えています。
仁・幸夢店が提供する「真の健康住宅」は、「住む方の健康に害を与えないこと」「肉体的にストレスを与えないこと」など、従来の健康住宅の役割に加え、「住む方の体と心の健康増進(ヒーリング効果)があること」です。
簡単に言ってしまうと「そこに住まう方の財・体・心の健康を守る家」です。これをさらに発展させて家にヒーリング効果を持たせることで、いわゆる「真の健康住宅」が可能となります。

そこまでの性能を有してこそ、「真の健康住宅」と呼べるものと考えます。
こう書いてしまうと「そんな家が本当に実現可能か?」と思われそうですが、現実にそれは可能です。

健康住宅と不健康住宅

昨今では、シックハウスや住む方の健康に気を付ける建築会社は、増えてはいるものの、まだまだいくつかの問題が残っています。
特にカビやダニに由来するアレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎などの健康被害。これらは、住宅性能を改善して温度・湿気のコントロールが出来れば、問題解決できるばかりでなく、家の寿命も伸ばします。
また、住む方の健康を守ることも、増進も可能。家には、そんな潜在能力が潜んでいます。

反対に、住む方の健康を損ねる家も多々見受けられます。
比較的、気密性能が高まった住宅の中でも、計画換気の理解不足のまま建築しているせいか、換気量不足などで不健康となっている建物も見受けられます。
さらには、有害電磁波や有害化学物質の問題など、すべてが明らかになっているわけではありませんが、危険性に晒されている不安も捨てきれません。
しかも、自然素材だけにこだわって建築をすれば安心といえる問題でもないのです。

そこに住む人自身が、PM2.5、花粉などを知らず知らずのうちに家に持ち込んでしまうこともあるでしょうし、開口部から飛び込んでくることだってあるはずです。
これらの問題に対処するには新鮮な空気を供給する換気システムが役立ちます。それも、ただ室内の空気を入れ替えるだけではなく、省エネ性も踏まえて、必要最小限の供給を確実にこなすことが大切であり、その実現には高いレベルでの気密性能が必要です。

高性能は、家を構成する一つの条件に過ぎない

日本の家の問題を挙げていくと、その解決には高気密・高断熱・計画換気性能がいかに有効であるかが見えてきます。しかし、高気密・高断熱・計画換気の整った住宅であれば、必ずお客さまにご満足いただける家になるかといえば、決してそうではありません。
なぜなら、高気密・高断熱・計画換気性能は、家を構成する一つの要素(条件)に過ぎず、すべてではないからです。

家とは、いくつものパーツや部材からできあがる一つの集合体であり、そこにはトイレやキッチン、バスルームなどの水回りもあれば、居間や寝室などのスペースもあり、それぞれを仕切る壁やドアもあります。
実用的でありながら、吹き抜けや出窓などといった空間的演出も必要であり、様々な要素で成り立っています。

つまり、高気密・高断熱・計画換気性能は、あくまでも家が備え持っているべき必要不可欠な要素の中の一つに過ぎないことです。
高気密・高断熱・計画換気性能に優れていても、それだけではお客さまを満足させることはできません。お客さまのほとんどは、見栄えも良ければ、性能も良い、使い勝手や便利さもと、言葉は悪いかもしれませんが、欲張りでいらっしゃいます。

しかし、人生最大の買い物をするのですから、欲張りなくらいで丁度いいのかもしれません。問題だらけの日本の住宅を克服し、満足のいく家づくりをするには、むしろ欲張りすぎるほどでなくてはうまくいかないともいえるでしょう。
もちろん、予算というシビアな問題もあり、どこかで妥協せざるを得ない場面もあるはずです。まずは欲張ってみて、そして、その中で何が自分たちにとって大切なものであるかを見つけることです。

健康住宅は、高性能性なしでは、片手落ち

高気密・高断熱・計画換気性能をいかに高いレベルで有しても、必ずしもお客さまに満足いただける家になるとはいえません。
健康住宅もただそれだけでは、お客さまの100%のご満足はいただけません。
多種多様なニーズを満たしてこその家だからです。特に昨今の流行のような家は、いただけません。ある種、建築する側の独りよがりになるきらいが見受けられます。お客さまは、人生最大の買い物をするのですから、わがままになって当たり前です。
たとえ、それがない物ねだりであっても、本当に求めるべきものは要求するべきで、「真の健康住宅」であるなら、それを手に入れることができます。
快適で、安心・安全、省エネルギーで、そして家族も健康、家も健康。それこそが「真の健康住宅」です。

そして、真の健康増進住宅であるためには、高気密・高断熱・計画換気などの断熱等性能等級6、7(HEAT20/G2、G3)以上の高い性能が必要です。
それは、健康素材の素晴らしさを最大限活用できる技術が、高気密・高断熱・計画換気性能でもあるからです。

この国でもトップレベルにある高気密・高断熱・計画換気性能をベースにした上に、耐震性能や耐久性能、省エネ性や健康住宅としても優れた高性能性を実現します。

高性能の要素(条件)

これを基本ベースとして、使い勝手やデザイン性を加味していきます。すなわち家づくりは総合的な技術であり、何か一つに取り柄があっても、どこかが片手落ちになっていてはダメなものにしかならない繊細なものです。

健康増進住宅がもたらすヒーリング効果とは

家が健康に及ぼす影響は、良くも悪くも小さいものではありません。
家に由来する病気もあれば、家によって予防できる病気もあります。
ダニやカビが原因となるアレルギーやアトピー、喘息などはあきらかに家が作り出す環境によって対策は可能です。ヒートショックによる脳溢血や心臓病なども温熱環境によってリスクを回避できます。
もちろん、家は健康機器や薬とは違いますので、必ずこれに効くとか、絶対に良くなるとはいえませんが、一日に何時間も過ごす場所なのですから影響がないはずもないのです。

病気の手前(発症前)にある状態を、東洋医学では“未病”と呼びます。
自覚症状はないが、検査などで異常がみられる状態や、その反対に自覚症状があっても検査では異常の見つからない状態のことです。
例えば、冷え症や肩こり、体のだるさ、高血圧や肥満、脂肪肝なども未病に分類されます。肥満や脂肪肝などの生活習慣病は、住宅性能で改善できる問題ではありませんが、冷え症や肩こりなどに関しては、良好な温湿度環境により改善が見込めます。

私たちの体には、治癒力・自己回復力が備わっています。
本来の生命力を十分に活かす方向にもっていくようにすれば、健康に暮らすことができます。家の役割は人間の治癒力がその力を発揮するように、それとなく導いてあげることです。
とにかく健康の大敵は体が冷えることで、血流を悪化させて、免疫力の低下や自己回復力を妨げます。風邪なども、冷えからくる病の代表です。

意外に恐ろしいのは、肺の中にカビの胞子が入り込み、肺炎を引き起こすことです。花粉症の方も、高気密・高断熱の家では、比較的に楽に過ごせるとの報告もあります。
外からの音も遮断できるため、家の中がとても静かで、寝苦しい熱帯夜も、気にならないため良質な睡眠を取れるという報告もあります。
良い睡眠が免疫力をアップさせます。これらがすべて、健康増進住宅のもつヒーリング効果のひとつです。

昨今では、人々の健康志向が強いせいか、雨後の竹の子のように、猫も杓子も健康住宅を謳う業者が増えています。ただ単に、自然素材を用いれば、健康に寄与できる建物になると思うのは大間違いです。
もちろん、自然素材を用いることに反対ではなく、家の中に有害なものを持ち込まない配慮は絶対に必要です。
それだけでは十分ではないことを、知っておいて欲しいのです。

何のための健康住宅か

個人個人の考え方や価値観によって、夢や希望は違います。
誰もが等しく願うのは、健康ではないでしょうか。
いつまでも元気でいられることは、何よりです。もちろんそれは、自分のことばかりではなく、家族みんなが健康でいられることが一番でしょう。
家の構造がどうなっていようと、性能がどうあろうと、住む方が満足さえしていれば、そんなことは何も問題ではありません。
結果よければすべてよしが家づくりです。

しかし、よく考えてください。満足を感じるには、何よりもまず家族みんなが健やかであることが大前提です。
例えば、病気の時、何を食べても美味しくないように、いい家に住んでいてもしあわせとは感じられないことでしょう。
自分が健康でも、家族の中に病気を抱えている方がいたら、やはり心に引っかかるものがあり、心からの歓びは得られないはずです。

とりわけ、子供が病気になると親は心配でなりません。
辛そうにしている我が子を見ていると、「できることなら代わりたい」と親であれば誰しも思うものです。
本質的に家の役割は、家族の安心・安全を確保することにあり、そこには家族の健康も含まれています。

地震や台風、家事などから家族の命を守ること。病気のリスクとなる環境を健康的なものに整え、家族の健康を守ることです。
度重なり繰り返される地震被害や台風などの自然災害を目の当たりにしては、外観デザインや内装、設備などに向けられていたお客さまのニーズも、「いかにして命を守るか、家族の安全を確保するか」に向かい、それを守れるのが家という本質に気がつきはじめたようです。

お客さまの目が、家本来の目的である“家族で暮らす”ことに、しっかりと向いていることは大切なことです。
デザイン性や設備などの表面的なものから本質を求めるようになったことは、結果的に満足のいく家づくりへと導くものです。

命を守る 家族を守る 家が守る

家は、命を守るための器そのもの、家族の安心・安全、これが第一です。
さらに、そこには当然、家族の健康も含まれます。
しかし、国が定める基準通りの家づくりをしていては、残念ながら家族の安心・安全は守れません。
国の基準すなわち、建築基準法は、あくまでも「最低限これだけのことはしておきなさい!」という基準であり、「こうすれば最高の家ができあがりますよ」といったことを示していません。最低基準でしかないから、震災などことあるごとに、基準が改定されていくのです。

つまり、それはすべて何かがあってからの後追いでしかなく、これでは家族の安心・安全など守れなくて当然です。
事実、阪神淡路大震災で何が起きたか、東日本大震災でどうなったかは、記憶に焼き付いていることでしょう。
もしものことが起き、失われてからでは、取り返しがつきません。それは家族の命ばかりではなく、生活の基盤も一緒です。

財産を失ってから生活を立て直すのは、並大抵ではありません。
今でも、「何とかなる。最後は国が何とかしてくれる」と思っている方は多いかもしれません。
しかし、国はほとんど何もしてくれないことは過去の災害でも明らかです。
つまりは、自分たちの命は自分たちで守るしかありません。かけがえのない家族とその暮らしを自分たちの手で守るのです。

それをできる唯一の場面が、家づくりです。しかもそれには、これまでの家づくりのやり方では、対応しきれないこともまた現実です。
他方で、住宅業界も激しい競争にさらされています。受注確保のため、どこの業者も「うちは強い建物です」「耐震性抜群です」「長持ちします」と謳っています。
しかし、その根拠を尋ねても、「大丈夫です。建築基準法通りに施工していますから……」と返ってくるのがほとんどです。

社会的には、法律に準じていますから、それで問題はありません。
でも本質的には、家族の安心・安全を確保できていないところが罪深いのです。
そんな現実に対処するには、お客さまもあらかじめ勉強をすることです。
ある程度の知識がなくては、玉石混交の業者を見極めることはできません。
建築のプロになる必要はありませんが、身を守るすべを身に着けることです。
少なくとも、高性能住宅とは、健康住宅とはどういった建物か、それぞれの耐震性・耐久性はどう違うのかなど、表面的にでも知っておくと役立ちます。

例えば、「お宅の住宅は、気密性をどうやって得ているのですか?」とか、「耐震性能はどう確保しているの?」と尋ねてみるだけで、建築業者は、「おや、この方は建築に詳しいな……」と勝手に解釈して、襟を正してくれるはずです。
繰り返しますが、家族の命や財産を守るのが家の役割です。その役割を担える家を建てるには、きちんとした知識を身に着け自らの身を守ることです。

呼吸する・食べる・保温する・歩く・眠る

人間が健康に生きるのに必要なのは、呼吸する・食べる(飲む)・保温する・歩く・眠るの5つです。これら5つは、自然の中からと衣食住の3つから取り入れています。

“呼吸する”は一番大事な基本。人間は空気なくして生きることはできません。
水と大気の存在する地球だからこそ、人間は存在することができます。

“食べる(飲む)”は、食事によって得るエネルギー補給であり、水と食料は生きるための基本中の基本です。

“保温する”は、5つの中では少し異質ですが、やはり必要な要素です。
地球は人間が生活するのに適した環境ですが一年中がそうであるとは限りません。
人間は変温動物(35℃~42℃)であっても、体温を維持するには保温するための道具が必要です。それが衣服の一番の役割であり、家もまた第三の皮膚としてその役目を担っています。

“歩く”に関しては、前述した通り、健康に生活するためには第二の心臓である足を適度に動かさなくてはなりません。その環境を整えるにも、家の性能は必要不可欠です。寒い家では体は縮こまり、動かなくなり、筋肉は固くなります。

“眠る”=睡眠は、肉体的にも、また精神的にも必要な行為。眠りの質が大事であり、熟睡・快眠は健康に欠かせません。快適な睡眠環境を提供するのも、また住環境が担う大切な役割です。

当たり前のことを説明してきましたが、呼吸する・食べる・保温する・歩く・眠る。そのどれについても家が大きく関わっています。
突き詰めれば突き詰めるほど、家と健康の関わりは大きなものとして浮き彫りにされてくるのです。

ガンになりにくい家

よく「病は気から」と言われますが、住宅の視点から考えると「病は家から」です。
病気の予防や病後に、食事療法や運動療法を行う方はよく見かけますが、住環境を改善される方はそう多くありません。
実際には、家が遠因となり病気になっているケースがかなり多いにも関わらず、その根本原因を改善せずに、いわゆる対処療法に終始しているのが現状です。
その観点から今一度家を見つめ直すと、病気になりやすい家と病気になりにくい家がはっきりと見えてきます。

寒さが遠因となる、リュウマチや神経痛。
室内の温度差が悪影響を及ぼす、心疾患や脳溢血。
カビやダニによる喘息やアレルギー。
地磁気の影響による血液系、神経系の病気や精神病。
そしてガンまでが家を改善することで、抑制することが可能と考えられます。

例えば、心理的ストレスが大きいとガンになりやすいとの報告があります。
使い難い家や寒い家は、そのストレスが住人のイライラを誘発し、攻撃的な性格を生みだします。
散らかっていたり乱雑な状態であったりすると、そうした環境が攻撃的性格を助長してしまいます。
このイライラや攻撃性が強いと、ガンを殺す免疫細胞の働きが弱くなる傾向にあるようです。中でも攻撃性を表に出さずに溜めこむ方の場合、さらに強いストレスにさらされるためか免疫細胞の働きの低下が顕著になるそうです。

ガンになりにくい家をつくるとしたら、カビ・有害化学物質のない、防虫剤、芳香剤を使わずに、使い勝手がよく、暖かい建物にして、あまり腹を立てずに済む環境をつくることです。
断熱・気密性能を高め、家中温度差のない暖かい空間を実現することが重要です。

色彩的にも青系統の寒さを感じる色彩よりも、淡い橙色などの暖色系を用います。ただし、赤は攻撃的にする傾向にあるので、その点にも留意することです。
コンクリートの建物は体から熱を奪い、湿気が多くなりやすいため、ガンになるリスクが高い傾向にあるようです。
特に、ガンの多い家系にある方の家を設計する場合、ガンのスイッチが入りにくいような色、音、光、匂い、動線を考慮した住環境にする必要があります。

「気持ちが良い」の「氣」とは「命」のことを指しています。
つまり“気持ち良い”と感じるのは、命が喜んでいる状態であり、生存本能に直結しているといえます。
“食事がおいしい”“あたたかい”“過ごしやすい”などといった状態も命が喜んでいるのです。 反対に、“まずい”“暑い”“寒い”といった感覚は、命の危険を感じているから不快なのでしょう。

マッサージなどを受け、良い気分になったり、お風呂に入り「ふうー」と一息つくのは、血行が良くなりホルモンが活性化されるからです。
生活しやすい気持ちの良い環境で暮らしていれば、自然と健康でいられるものです。
これらのことを地域の気候・風土や地球環境などのことまで勘案しながら、設計・施工していくのが「真の健康住宅」の本来のあり方です。

もちろん私どもは、医者ではありませんので、その道のプロにご助言を頂いたり勉強をしたりと、試行錯誤しながら建築と健康のあり方を追求し、自然と人間が正しく共存していける新しい建築文化を模索しています。

人間も建物も健康な家

繰り返し述べますが、室内に温度差がある建物は、人間の健康を害します。
同時に、建物そのものの寿命も縮めてしまいます。
キンキンに冷えたビールをコップに注ぎ、そのまま空気にさらすと、コップの周りには水滴がびっしりとつきます。この現象が、いわゆる結露です。

空気が水分を内包できる量は、温度によって異なります。温度が高ければ高いほど多くの水分を含んでいられるのが空気の性質です。
冷えたビールの入ったコップに周りの空気が触れると、急激に冷やされ、内包できなくなった水分が結露水となってコップにびっしりとつくのです。

このビールの入ったコップを、冬の窓ガラスに置き換えると、外気に冷やされた窓ガラスに、暖房された空気が触れ、水分を抱えきれなくなって、結露して窓周りをびしょ濡れにします。
この結露現象は、ガラス面ばかりで起きるわけではありません。一番厄介なのは、壁の中で発生した場合です。
これを壁体内結露(壁内結露)と呼びます。この壁内結露は、カビやダニの温床となり、人体に悪い影響を及ぼすばかりでなく、柱や梁などの木材を腐らせたり、金物や鉄骨を錆びさせたりして、家の寿命も奪います。

家の角部分や水回りの床がべこべこになっていたり、押し入れのしきり板がはがれてきたりするのは、大抵この結露水が悪さしたものです。
この結露を防ぐには、いくつかの対策を講じなくてはなりません。
第一に、家中の温度差をなくし、結露現象そのものを予防すること。
第二に、壁の中の断熱材、仕上げ材は調湿機能の高い物を使うこと。
第三に、断熱等性能等級6、7(HEAT20/G2、G3)以上の高気密・高断熱・計画換気の高性能にすることです。

家中に温度差がなければ、結露は未然に防ぐことができます。
それでも、夏や冬の季節には、冷暖房がありますので、室内と屋外には必ず温度差が発生します。ですから調湿機能の高い断熱材と仕上げ材を使うことです。
さらに、換気システムにより、室内の余計な湿気を排出するとともに、空気を動かすことで乾かす作用も期待できます。
換気が悪いと、窒息状態になって人間にも建物にも悪影響を及ぼします。
ことさらに、「換気システムで……」と強調するのには意味があります。

換気システムとは、人間でいう肺の役割を担います。
肺に穴が開いていると息苦しくなるように、換気がきちんと働かないと、結露を起こしたり、水蒸気や二酸化炭素などの有害物質を室外に排出できなかったりと、建物にもそこに住む家族にも悪影響を及ぼします。
著しい場合には、カビが体内に入り込み、肺などで繁殖して、人間を死に至らしめることもあります。
いわゆる死因は肺炎であり、実は日本人に少なくない死因です。

家の中に暑さ寒さがあると、結露以外にも、熱中症、ヒートショック、脳溢血や心疾患などを起こす元凶となりかねません。
家中の温度差をなくすと聞くと、「使っていない部屋まで冷暖房するのは、もったいない!」と、拒否反応を示す方が大勢います。
高気密・高断熱・計画換気性能を持った家であれば、従来の住宅で居間と寝室を冷暖房していた費用と同程度で、家中を温める(冷やす)ことが可能となります。

健康住宅は、家族のしあわせの器

家は、ひとたび形を成した瞬間から、いくつかの使命を担うことになります。その最大の使命が、家族を守ることです。
家は、命を守るシェルターであり家族を育む社であり、健康を守る器なのです。
外敵から家族を守る。風雨や寒暖から守る。温度差やカビ、ウイルスなど健康を害するものから守る。地震や台風、火事などの災害から守る。
家の担う最大の役割は、まさしくそれであり、それこそが欠くことのできない本質のひとつです。
また、その役割を担えない建物では、他のどの部分を満たしていても、欠陥があると言わざるを得ません。

家とは、家族がしあわせに暮らすための器です。
その大前提として家族を守れなくて、幸せなど築けるはずがありません。
家を建てようと思うとき、何はともあれ家族のためにと思うはずです。
家族のためとは、すなわち、家族が幸せになるためです。
家族みんなが穏やかな日々を健康で、快適に、笑顔で過ごすことができたら、これに勝る幸せはないでしょう。

しあわせは、手に入れるものではなく、見つけるものです。
幸せを手に入れようとするほど、その手をすり抜け、見つけようとさえすれば、いつも身近にあるものです。幸せになろうとして、あれもこれもと掴み取ろうと欲張るから、次々と追い続けなければならなくなり、幸せでいられなくなります。しかし、上手に日々の暮らしの中に「見つけよう」「感じよう」と心がければ、いくらでも幸せはそこにあります。

何も起きずに平穏無事に暮らせることが、どれほど幸せなことでしょう。
思えば、幸せとは特別なことではなく、日常そのものではないでしょうか。
もちろん、それには自分のことばかりではなく、自分が大切に思っている方たちが、今日一日を平穏に暮らせることが必須です。
小さな幸せかもしれません。ささやかな幸せかもしれませんが、案外幸せとはそのようなものである気がします。

もちろん、時折は何かラッキーなことが起きるとか、楽しいことが起きなくては、毎日に飽きてしまい、幸せを感じることは難しくなるでしょう。
けれど、もし毎日、良いことばかり、楽しいことばかりでは、それに感謝したり、楽しいと感じたりすることもできなくなります。
自分や家族にとって悪いこと、面倒なことや大変なこと、苦しいことや悲しいこと、そんなことが起きずに、日常が平凡に過ぎ去ることこそ、幸せな生活です。幸せとは、そんな風にしみじみ感じるものでしょう。

往々にして人は、病気や事故、トラブルに巻き込まれて初めて、自分が幸せであったと気づきます。
「何ごともない日常こそが、しあわせだった!」と。
ですから、家こそが家族をしあわせにできる究極の器と言えるのです。
先ほどから述べている通り、家の役割とは、家族が日々を平穏に過ごすことができるように守ることです。

まとめ

住む家族に、無用なストレスや体への負担をかけることなく、地震や台風などの災害に怯えることのない家。
省エネでお財布に優しく、長期にわたって建て替えはもちろんメンテナンスの心配もなく、家族みんなが健やかで穏やかに暮らせる家。
そんな家こそが、しあわせになれる家であり、理想の家だと言えます。

毎日の暮らしの中、ただそこに暮らすだけで、いくつものしあわせを身近に感じられる。そんな住環境、そんな空間づくりが重要と考えます。それが、仁・幸夢店の提案する家づくりです。

これから土地の購入、住宅、マンションの新築、リフォーム、リノベーションをご計画の方に、仁・幸夢店ではより詳しくお伝えするために対面、オンラインどちらでもご相談承ります。お気軽にお問い合わせください。

 

<筆者プロフィール>

仁・幸夢店株式会社代表取締役 長谷川仁龍

長谷川仁龍

住まいのトータルコンサルタント。
仁・幸夢店株式会社代表取締役、(社)国際風水科学協会副理事長、(社)日本建築医学協会副理事長、NPO法人日本自然素材研究開発協議会理事。
シンガポール国立大学 LKY公共政策大学院地政学プログラム修了。
松永修岳大阿闍梨のもと、様々な加行を経て、伝法灌頂を授かる。

東京都吉祥寺にて前の歌舞伎座を手掛けた棟梁に大工として師事。
神社・仏閣・お茶室・一般住宅・RC造・鉄骨造・防音工事など、幅広く教えを乞う。
23歳で仁・幸夢店を設立、建築業を開始。
33歳の時余命を宣告され、真の健康住宅の必要性を感じる。
高性能・風水科学、建築医学、最先端の知識を活用し、住む人々が財・体・心の健康を整え、豊かな人生が歩める住まい創りのプロデュースを行う。

【主な著書】

『しあわせを育む風水健康と幸運を呼ぶ家づくりの秘訣』
『しあわせになれる200年健康エコエネルギーの家』
『家族が幸せになれるほんとうにいい家』
『100年長持ちするレンガ積みの家の秘密』
(以上、エール出版社)