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家を購入する際に考えなければならないことのひとつに、資金計画「お金」があります。自己資金で建築費や諸経費の支払いが全てできれば良いのですが、人生で最も高額な買い物になる住宅は、多くの方は「住宅ローン」を利用します。
はじめてで何をどうしたら良いのか分からない!と多くの方が思っています。そんな住宅ローンを、長年の経験をもとに他では聞けない、『個人の信用を高める方法や、信用を落としてしまう行動』についてご紹介いたします。
さらに金融機関を選ぶポイントや、金利のシミュレーション等、千葉県木更津市の工務店が詳しく解説していきます。
住宅ローンとは?
住宅ローンとは、新築住宅購入やリフォームをする際に、金融機関と契約し、お金を借りることです。住宅は大きな買い物なので、一般的に住宅を購入する場合には住宅ローンを組むことが多くなります。
お金を借りるので、利息は発生します。返済は毎月、利息と借りたお金の一部(元本)を足した金額を返済していきます。
借入期間が長ければ長いほど、利息は大きくなってしまうので、借り入れ金額や期間、毎月の返済額が妥当かをよく考えてローンを組むことが必要です。
なお、住宅ローンは、建築するために関する費用にしか使用はできません。金額が大きいこともあり、カーローンなど他のローンよりも金利が低く設定されています。
住宅ローンを借りやすくする方法
住宅ローンを借りるのに金融機関の審査があります。長期間にわたり返済をするようになるので、収入が安定しているのかが審査ポイントになります。そのため借り入れがしやすい職業と借り入れがしにくい職業があります。
借り入れがしやすい職業
・公務員
・上場企業の会社員
借り入れがしやすい職業は、収入が安定していて一般的に将来にわたり勤められる環境にある職業です。
借り入れがしにくい職業
・個人事業主
・漁師の方等の自然に収入が左右されやすい職種
・芸能人の方、YouTuber等
借り入れがしにくい職業は人気や天候によって収入が変化する職業になります。しかし、この職業の方が、審査が通らないということではありません。
ここではお伝えしたいのは決して職業差別をしているのではなく、職種によっては、収入の変動があると下限値で判断されてしまい、借入限度額は小さめになるということです。
住宅ローンの借入限度は一般的に年収の7倍~10倍までといわれています。
借り入れがしやすい職業の方は10倍迄審査が通るけど、借り入れがしにくい職業の方は、場合によっては5倍くらいまでの限度額になることがあります。
『自分は借りにくいのか・・・』と落ち込まないでください。職業を変えるのは難しいかもしれませんが、個人の信用を上げるための方法をご紹介します。
個人の信用を高める方法
借りやすくするために行うとよい方法は以下の5点になります。
- クレジットカードのキャッシング機能を0にして、クレジットカードの枚数を極力減らす。
- 借入予定金融機関で、できる限り長い年月一定額を積み立てする(財形貯蓄や定期預金など)
- 自己資金を用意する
- 他の借り入れをなくす
- 勤続年数を長くする
クレジットカードの整理について
クレジットカードのキャッシングはすぐに借入ができるのが特徴です。その分住宅ローン返済中に借入ができてしまいます。
貸す立場の金融機関にとって返済が健全に行えるかを見るのに、簡単に借り入れできる状態はマイナス要因になります。
またクレジットカードを多数持っている方は、すべてのカード利用していなかったとしても、お金の管理があまりできないのでは?と思われてしまいます。
カードの枚数はなるべくまとめて、不要になったものは解約して整理しておくと良いです。
借入予定銀行で積立をする
すぐにできる事ではないですが、借入する金融機関で一定額を途切れることなく積立た実績は、その金額なら返済できるというプラスの実績になります。
できる限り長期間積み立てを行えれば個人の信用力はプラスになります。
自己資金を用意する
自己資金0で申し込むよりも自己資金が多くある方のほうが銀行の評価が高くなります。積立で用意される方もいますし、親からの援助を受けて、自己資金が用意できると、審査が有利に進みやすいです。
これは自己資金が用意できるくらい積立できた、又は親から援助できる環境にあるという信用につながります。
他の借入をなくす
ローンを組むときに、車のローン等他の借入があると審査が厳しくなります。
例えば、車のローンで月3万払っているとしたら、月10万迄返済能力が認められた場合、3万を差引いた7万迄で融資の限度額が評価されます。
できる限り他の借り入れは整理するようにしましょう。
勤続年数を長くする
勤務先に長く勤めているとそれだけでも信用情報がプラスされます。金融機関は安定的に返済できるか?を評価するので、転職を繰り返す方よりも、長く勤める方は安定感があり、評価が高くなる傾向にあります。
ただし転職でも、1、2回でキャリアアップになる転職はプラスになります。
つぎに個人の信用が落ちる事をご紹介します。場合によっては借りやすい職種の方でも審査が通らなくなるので注意してください。
個人の信用が落ちる事
- キャッシング機能付きのクレジットカードを多く持っている
- 消費者金融でお金を借りたことがある
- 支払いに延滞の履歴がある
- 引っ越しを繰り返す
- キャッシング機能付きのクレジットカードは個人の信用を高める方法の時に紹介していますのでここでは割愛いたします
消費者金融で借りたことがある
消費者金融で借りたことがあるとそれだけで信用が落ちます。
これは延滞なく無事完済できていたとしてもです。
なぜかというと、消費者金融は気軽に借り入れできますが金利が15%前後と高金利になっており、高い金利でも借りなければならない状態になったことがあるという点がマイナス評価につながります。
借入れの記録は返済完了してから5年は残るので、住宅ローンを申し込む前の5年間は利用しないことをお勧めします。
支払いに延滞の履歴がある
たとえ1日でも支払いに延滞があると審査が厳しくなります。金融機関からしたら「お金の管理がずさんで、返済は大丈夫か?」と思わせてしまうので個人信用が著しく落ちてしまいます。
さらに延滞が2~3ヶ月続くといわゆるブラックリストに情報がのります。ブラックリストになると、どんな職業でも、住宅ローンはほぼ利用できません。
ブラックリストから外れるためには、完済してから5年以上経過すると消えます。まれに5年経っても消えてない場合もあるのでその場合は信用情報会社に言ってなくしてもらうようにしましょう。
自分の信用情報を確認する
指定信用情報処理機関は複数社あるのですが、CICで情報を取り寄せることをお勧めします。
料金はメールで情報を受け取る場合500円、郵送で受け取る場合は1500円で確認できます。
信用情報の確認は住宅ローン申込みをする前に確認することをお勧めします。
住宅ローンを申し込んだ時に、無自覚の延滞があったりしてNGが出た場合、信用情報は5年で消えますが、申し込んでNGが出た履歴は金融機関に残ります。
申込んだ後に気づき、信用情報がきれいにした後、改めて申込んでも、その履歴から金融機関はNGを出す確率が高くなるからです。
以上の理由から、ローンが通る見込みがないのに、どこかが貸してくれるだろうと複数申し込みを行うのは最悪の行動につながります。
自分の信用情報の不利な事を各金融機関にお知らせしてるだけになってしまうからで、地域で借入れ可能な金融機関がなくなってしまう可能性があるからです。
信用情報を住宅ローン申込みする前にしっかりと確認してから申込むことをお勧めします。
引っ越しを繰り返す
引っ越しを繰り返すことも個人の信用が落ちる行動になります。安定的に返済できるかを審査するときに引っ越しを繰り返す人は、安定性に欠けると判断されてしまいます。
住宅ローン基本の流れ
住宅ローンの流れを理解するのに、全体の流れを知る必要があります。以下の流れで進めていくようになります。
- 建築予定地を探し候補地を決定する(すでに土地をお持ちの方は不要)
- 候補地で建物の図面を作成し、見積もりを取る
- 事前審査申込み
- 本審査申込み
- 確認申請提出
- 土地資金実行及び決済(つなぎ融資)(すでに土地をお持ちの方は不要)
- 建築工事着工
- 着工金や中間金実行(つなぎ融資)
- 完成直前に住民票を移動し表示登記提出
- 銀行で金銭消費貸借契約を締結
- 住宅ローン融資実行
- お引渡し及び引っ越し
- 住宅ローン返済開始
③の事前審査申込みの前に、どこの金融機関に申込むのか検討する必要があります。多数ある金融機関から、どこのポイントを比較して選択するか紹介していきます。
住宅ローンを組む銀行の選びかた
住宅ローンは多くの金融機関が扱っていて、どの金融機関を選んだらよいのか?わからないというご質問をよくいただきます。
住宅ローン選びの基本ポイントは、
①金利タイプを選ぶ
②実際の金利を確認し、銀行を検討する
③借入時の諸費用もチェック
④つなぎ融資を受けられるか
以上の4点を確認する必要があります。
金利タイプは2種類
金利は、借り入れたお金に対しどれくらいの割合で利息(利子)が発生するのかを表した言葉です。住宅ローンの金利は、大きく分けて2種類のタイプがあります。
「変動金利」
借入期間中に適用される金利が変動する。金利が安いのが最大のメリットで、金利の上昇がなければ利息が一番少なくすみます。
一方金利が上昇すると月の支払いが増えるのがデメリットです。一般的には半年に一度適用金利の見直しが行われます。
「固定金利」
次に、金利が一定期間固定される。金利が固定される期間は2年・3年・5年・10年・15年・20年・30年・35年から選べます。金利が固定される期間が長くなれば長くなるほど金利は高くなります。
35年固定(フラット35等)は、ずっと同じ金利なので資金計画などが立てやすいのがメリットです。デメリットは金利が高いので、利息の合計金額が大きくなります。
その他
ミックス金利と言って、借りた金額の半分を変動金利、半分を固定金利とする商品などが金融機関によってはあります。
固定金利と変動金利、どっちがいいの?
では、この2つのタイプのうち、どのタイプがいいのでしょうか。それは、未来の金利がどうなるかで答えが変わるので誰にも正しいことはお答えできません。それじゃ選びようがない!と思いますのでシミュレーションをしたいと思います。
前提条件として3000万円を35年ローンで、繰上げ返済をしない場合で算出します。固定金利(フラット35)は1.80%(2023年9月1日現在で融資率9割の場合)
月々の返済が96,327円、35年間で利息総計は10,457,296円になります。変動金利は0.625%。(35年間金利が変動しなかった場合で計算)月々の返済が79,544円、35年間の利息合計は、3,408,345円になります。
利息の差額は7,048,951円になります。
金利が1.175%変わるだけで700万もの差が出るので、いかに金利が重要かわかると思います。これだけ見ると変動のほうが安いからよいのでは?となりますが、金利が上がった場合はどうなるの?というところが問題だと思います。
次に変動金利が一定期間で上昇していったらどうなるかをシミュレーションしてみたいと思います。借入額は3000万円で共通になります。
シミュレーション1
変動金利が10年ごとに0.5%上昇するとします。
スタート時の金利0.625%の時は月々79,544円の返済になります。
10年目からの金利1.125%の時は月々84,691円返済になります。
20年目からの金利1.625%の時は月々88,032円の返済になります。
30年目からの金利2.125%の時は月々89,032円の返済になります。
総利息5,751,068円になります。固定金利利息との差額-4,706,228円
シミュレーション2
変動金利が5年ごとに0.3%上昇するとします。
スタート時の金利0.625%の時は月々79,544円の返済になります。
5年目からの金利0.925%の時は月々83,183円返済になります。
10年目からの金利1.225%の時は月々86,342円の返済になります。
15年目からの金利1.525%の時は月々88,979円の返済になります。
20年目からの金利1.825%の時は月々91,051円返済になります。
25年目からの金利2.125%の時は月々92,520円の返済になります。
30年目からの金利2.425%の時は月々93,348円の返済になります。
総利息7,063,680円になります。固定金利利息との差額-3,393,616円
シミュレーション3
変動金利が5年ごとに0.5%上昇するとします。
スタート時の金利0.625%の時は月々79,544円の返済になります。
5年目からの金利1.125%の時は月々85,667円返済になります。
10年目からの金利1.625%の時は月々91,080円の返済になります。
15年目からの金利2.125%の時は月々95,673円の返済になります。
20年目からの金利2.625%の時は月々99,340円返済になります。
25年目からの金利3.125%の時は月々101,977円の返済になります。
30年目からの金利3.625%の時は月々103,483円の返済になります。
総利息9,693,087円になります。固定金利利息との差額-764,209円
シミュレーション3は15年目でフラット35の金利より高くなっていますが、利息は、元本×金利で算出されますので、15年目は元本が借りた当初より少なくなるので、金利が上がっても総利息がフラット35より安くなるというのがわかりました。
ただしシミュレーション3の20年目以降は月ごとの返済額がフラット35の時より大きくなっています。その点は注意が必要です。
※実際の金利がどのように変化するかはわからないので金利タイプの選択は自己責任でお願いします。
金利は重要なので改めてそれぞれのメリットとデメリットをまとめます。
固定金利のメリット
・金利が変わらないので急な金利上昇リスクがない
・金利が変わらないので月々の返済も変わらず計画を立てやすい
固定金利のデメリット
・総利息が大きくなる
・月々の返済額が大きくなる
変動金利のメリット
・金利が安いので月々の返済額が固定金利に比べて少なく済む
・金利の推移次第だが利息が固定金利に比べて小さくなる可能性がある
変動金利デメリット
・金利が上昇すると月々の返済額が増える。
・金利の上がり方によっては総利息金額が大きくなる可能性がある
過去金利の推移
過去を見て今後もその通りになるという事はありませんが、参考にご紹介します。三井住友銀行で20年前から月別で金利を掲載しています(店頭表示金利です)。
それによると2006年9月までは2.375%、2006年10月~2009年1月は2.675%~2.875%で2009年2月以降はずっと2.475%です。ソースはこちらをご確認ください。 三井住友銀行金利推移
店頭表示金利とは、その名前の通り店頭に表示されている金利の事です。 実際の金利は「店頭表示金利-優遇金利」で求められます。
銀行はすでに貸し出した人については契約している優遇幅で済むため、店頭表示金利を下げてしまうと、現在返済中の方達の金利も安くなってしまいます。
結果銀行の儲けが減るので、時世などから優遇幅を変更し、消費者と契約する金利を月ごとに決めています。
2011年ごろ、優遇金利は最大1.4%でしたので2.475-1.4=1.075%が変動金利の最安金利でした。
2023年9月では2.475-2%=0.475が最大優遇金利の適用を受けた場合の実際の金利になっています。
実際の金利って?
実際の金利とは何でしょうか?
最終的な契約を結ぶ時の金利は、金融機関ごとの店頭表示金利とは異なります。その理由は、各金融機関が独自に設定している「優遇金利」によって金利が異なるからです。
HPでは最大優遇幅を受けた場合最安で〇%というのが表示されています。 店頭表示金利-優遇金利=実際の金利で算出されます。
では、優遇金利とは一体何でしょう?
優遇金利とは、適用条件を満たすことで住宅ローン金利が優遇(=割引)される金利のことです。金融機関は、独自の優遇条件を打ち出し、差別化を行っています。優遇金利の適用条件は金融機関によって条件が異なります。
以下は条件の一例になります。
・給与振込を当該銀行で行う
・ネットバンキングの利用契約
・クレジットカードを作成する
・勤務先が銀行と提携している
・証券口座の開設をする
・自己資金が条件を満たす
実質金利が良くても、最大優遇幅を得るための条件を満たせるかどうかは、個人によって異なります。収入や勤務形態はすぐには変えられないですし、給与振込も勤務先の指定があれば変更が難しい場合もあるでしょう。
また、固定金利の代表的な商品「フラット35」には、金利がさらに低い「フラット35S」という商品があります。
耐震性・バリアフリー性・耐久性・省エネルギー性など、優れた高品質住宅の場合に適応されます。固定金利を検討する場合は、こちらの商品も検討してみましょう。
「優遇金利」の種類と注意点
優遇金利には2種類あります。
ひとつは「当初期間優遇」と言われる、借り入れから一定期間優遇金利が設定されて、期間が過ぎると優遇幅が少なくなったり、なくなったりする優遇金利です。一定期間内の優遇金利の条件が良いのが特徴です。
もうひとつは「全期間優遇」と言われる、ずっと優遇金利が変わらないプランです。当初期間優遇より優遇幅が少ない代わりに借入している間一定の優遇を受けられます。
金利の設定は金融会社が独自におこなうので、店頭金利が低く優遇金利が低い金融機関もあれば、店頭金利が高く優遇金利が大きい金融機関もあります。また、優遇金利の種類によっても、金融機関ごとに返済金額が変わります。
借入時の「諸費用」も要チェック!
住宅ローンの借り入れが決まると、金融機関との契約が必要です。
実は、この契約の時までにかかる諸費用は借り入れ金額の3%~7%と比較的高額で、実際の金額は金融機関によって異なります。
一般的な住宅ローン契約の際に金融機関との間に発生する諸費用の代表的なものは以下です。
・融資事務手数料
・ローン保証料
・印紙代(契約書に必要なもの)
・団体信用生命保険
・抵当権設定費用
融資事務手数料
金融機関へ支払う手数料です。数万円かかる金融機関が多いですが、金利の安いネット銀行などでは借入金の2%程度を設定している場合もありますので、確認が必要です。
ローン保証料
借り入れた方が支払い不可能になってしまった場合、保証会社が銀行に対して債券を保証してくれるための費用です。
債務者を保護してくれるわけではなく、保証会社か、委託を受けた業者が債権回収に動くようになります。
借入金額・期間によって金額がかなり異なり、金額が大きく期間が長いほど多くの費用が掛かってしまう場合が多いです。
一般的にフラット35等の場合は無料になっています。
印紙代
金銭消費貸借契約書を作成するときに貼る印紙代です。契約書の金額によって異なりますが、数万円になります。
団体信用生命保険
借入した人が死亡時と高度障害状態時に、ローン残高がゼロになる保険です。加入するには保険料がかかりますが、一般的に銀行ローンの場合は金融機関が負担する場合が多いです。
「フラット35等」の場合は、ローン保証料無料の代わりに団体信用生命保険は自己負担になっています。
団体信用生命保険は入らずに民間保険会社で加入することも選べるので、未加入でもフラット35等を利用できてしまいます。
未加入はリスクが高すぎるので、万が一に備えて加入するのが一般的です。
基本は死亡するか高度障害状態になった時になりますが、3大疾病による所定の状態や7大疾病による所定の状態等、金利をプラスすることにより、保険適用の症状を拡大することができます。
ある程度重い状態でないと保険料がおりませんので、詳しい条件は借入を検討している金融機関にご確認ください。
抵当権設定費用
家を建てたときに土地と建物に抵当権を設定する費用です。司法書士さんにお支払いする報酬と、登録免許税の支払いがあります。
借入する金額によるのですが、およそ15万円~25万円(2023年9月現在)の間になることが多いです。
借入れ完了後に発生する「諸費用」もチェック!
契約が済んでからも、発生する諸費用があります。それは繰り上げ返済手数料です。
繰り上げ返済手数料は、一部繰上返済の場合はほとんどの銀行はインターネットで手続きをする場合無料となる場合が多いです。
繰上返済できる金額は下限を定めている場合があります。
全額繰り上げ返済の場合は費用が発生する場合が多くみられます。
繰上返済手数料も複数回行うとそれなりの金額になるので、チェックしておくようにしましょう。
借入申し込み金額から諸費用を差し引いた金額が実際に使えるお金になりまので、諸費用の概算金額は把握して、借入金額からその分を差し引いて計画を立てるようにしましょう。
つなぎ融資を受けられるか
一般的に住宅ローンは建物が完成して、登記を出してから全額融資になります。
つなぎ融資とは、ローンの実行前に、土地の費用や、着工金や中間金などを融資するというものです。
土地から購入の場合、自己資金で購入できない場合つなぎ融資ができない金融機関だと購入できません。
建築会社も最後一括だと、それまで発生する費用すべて立て替えなります。建築期間はそれなりの期間が必要になるので、基本的につなぎ融資が必要になります。
つなぎ融資は最終金の融資実行まで利息がかかります。こちらの費用も押さえておくべき費用になります。
借入期間について
通常住宅ローンは35年を上限に借入をすることができます。
最近は最長50年の商品も出ました。
基本的に利息合計は借入期間が長ければ長いほど大きくなります。その代わり月々の返済は少なくなりますので、余裕を持った返済計画を組みやすくなります。
借入期間については年齢制限があり、79才を超える年数でローンは組めません。具体的な例をあげると60才でローンを組むなら19年以上でローンは組めないということになります。
またローン開始が65才以上になると申込みができない金融機関もあります。後述しますが、ローン減税を受けるためには10年以上でローンを組み必要があります。
月々の返済がギリギリで組むと急な出費などで返済できなくなる可能性があります。35年ローンを組んで、余裕をもって返済計画を立て、余裕がある分は貯蓄にまわし、途中で繰り上げ返済に充てることをお勧めします。
住宅ローン申込に必要な事
住宅ローンについてわかってきたから実際に申込みしよう!といっても、その前に必要な事があります。
それは建築予定の物件が決まらないと申し込みできないという事です。
物件とは土地と実際に建築する建物の事です。
住宅ローンは2方向から審査されます。
・個人や勤務先の情報から年収による審査
・土地と建物が融資する金額に見合うものか(担保評価)
自分はいくら借りれるかまず聞いてみようとなっても、②の担保評価ができないので審査申し込みができません。
土地からの方は土地を探して、その土地に建築可能な図面を作成して、建築にかかる費用(見積書)が必要になります。
ここまできてやっと申し込みができる段階になります。
必要書類
申込みできる段階になったら、事前審査を行います。これは、仮の審査でローンが組める可能性があるか、必要金額が貸せるのかを審査してくれます。
最近はほとんどの金融機関でインターネット申し込みが利用できます。その場合は勤め先と借入希望額、年収からAIが判断して最短30分で結果がでます。
従来のように窓口で申込みする場合は以下の書類が必要になります。
※インターネット事前審査の場合は不要ですが、本審査で同じ書類が必要になります。
・運転免許証など写真付き本人確認書類のコピー
・源泉徴収票(過去1年分)
・健康保険証のコピー
・物件資料(見積書・図面・公図・土地の謄本等)
なお、自営業の場合は「会社決算書3期分」、フリーランスなどの個人事業主の場合は「確定申告書3期分」など、追加の必要書類があるので、金融機関に必ず確認してください。
住宅ローン控除について(2023年度最新版)
住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンを利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をし、一定の要件を満たすときに、その取得に係る住宅ローンの年末残高の合計額を基として計算した金額を、13年間所得税額から控除するものです。
認定を受けるものにより上限額が異なるのと、借入する時期によっても上限が異なります。以下の表でまとめてみました。
住宅の性能等 | 令和4・5年入居 | 令和6・7年入居 | 控除期間 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5000万円 | 4500万円 | 13年間 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4500万円 | 3500万円 | |
省エネ基準適合住宅 | 4000万円 | 3000万円 | |
その他の住宅 | 3000万円 | 0円 |
住宅ローンは完成して実行になるので、令和5年のうちに建物が完成しない場合は令和6年が適用されます。
注目は令和6年からは省エネ認定を受けていない住宅はローン控除が受けられないという事です。
また令和4・5年より上限額が縮小しているように、令和8年以降は決まっていないので、縮小される可能性もあります。
ロ-ン控除を利用する主な要件
・自らが居住するための住宅
・床面積が50㎡以上
・合計所得金額が2000万円以下
・住宅ローンの借入期間が10年以上
・引き渡し又は工事完了から6ヶ月以内に入居等
以上の要件を満たす必要があります。
ローン控除はいくらになるのか?
ローンの年末時点(12月末)の元本残高×0.7%が控除額になります。
納付する所得税から差引かれます。
所得税から差引きしきれない分は翌年の住民税から差し引かれます。
※住民税の限度額は9.75万円になります。
例:借入額3000万円、納付する所得税8万円、住民税12万円の場合
年末時点の借入残高3000万円×0.7%=21万円
21万円–8万円=13万円になるので、この場合所得税は納付する必要はありません。
12万円-9.75万円=2.25万円の納付になります。
この例の場合初年度21万円の枠があっても利用できるのが17.75万円になっています。
年収によって税金が変わってくるのでご自身の年収から所得税及び住民税をいくら納めているかで、枠を確保しても使い切れない場合があります。
ただし、この例は初年度のみを考慮しているので、5年後元本が500万減ると17.5万円の枠になるので、すべての枠を使い切ることができます。
このように年々控除される金額が減っていくのと、昇給等年収が増えれば控除できる税金も増えます。
住宅ローン減税を利用する時の注意点
住宅ローン減税を申込む時に注意することは2点です。
・初年度は自分で申告する必要がある
・繰り上げ返済のタイミングは利息と減税額を考慮する
初年度は自分で申告する
初年度のみ申告をする必要があります。取得した翌年の確定申告の時期(令和5年に取得したら、令和6年の2月15日~3月15日)に申告する必要があります。
取得して2年目以降はお勤め先が、年末調整の時に手続きしてくれます。
繰上げ返済のタイミング
住宅ローン控除は、「年末元本の残高×0.7%」で算出されます。
繰上げ返済すると当然ながら元本が減るので、減税枠も減ってしまいます。
ローン減税以上に金利(利息)がつく場合は繰上げ返済を少しでも早くしたほうがお得になります。逆に利息よりも減税メリットがある場合は、繰り上げ返済ができるように貯蓄して、減税が終了したら、まとめて繰上げ返済したほうがお得という事になります。
まとめ
住宅を新築又はリノベーションする場合、住宅ローンは多くの方が利用するようになります。
何度も利用するわけではないので、わからないことだらけなのが普通です。
より良い選択をするために、メリット・デメリットを把握し、自分に合った借り方をご自身で選択していただく必要があります。
仁・幸夢店では、お客様の状況をにより、土地と建築費のバランスを見て、資金計画等をアドバイスいたします。
資金計画は住宅取得の第一歩です。仁・幸夢店では無料相談を受け付けていますのでお気軽にお問合せください。
<筆者プロフィール>
長谷川 聡龍
仁・幸夢店株式会社 取締役
一級建築士・二級施工管理技士・気密測定士・電磁波測定士・風水カウンセラー・四柱推命士・ビジネス姓名判断士・ハウスインスペクター
多くの方は一生の三分の二は自宅で過ごします。その家が心地よく快適で、家族を育み円満に健康に暮らせたらどんなに幸せでしょうか。家は家族の命を安心・安全に守る究極の器です。住まう方のお役に立つように高性能・風水・建築医学を取り入れた「いい家」を設計・施工しております。