築300年の古民家を、趣を残したまま再生。
ご要望は、できるだけそのままのカタチを残したまま、高性能で心地よい空気環境で、夏涼しくて冬暖かい快適な家にしたいというものでした。
構造面ではジャッキアップをして水平と垂直を直し、更に長持ちするように補強。
断熱面では、床下、壁、天井に断熱材セルロースファイバーを入れ、サッシは樹脂サッシにして高断熱高気密に改修しました。
種別 | 木造平屋建て |
場所 | 千葉県南房総市 |
敷地面積 | —– |
延べ床面積 | 135.67㎡(41.04坪) |
家族構成 | ご夫婦 |
特徴 | 和の家 |
断熱工法 | 断熱材(セルロースファイバー) |
高断熱・高気密(断熱等性能等級6、7(HEAT20/G2、G3))相当の快適な家に改修した、古民家再生住宅です。
古民家でも断熱・省エネリフォームすることで快適に健康に過ごせて更に長持ちする家となりました。
「この家がいかに居心地がよくて、気温が安定してるかっていうのはわかります。私たち農家なので、基本的に日中は外で、寒い日もあるし暑い日もあるし、炎天下で作業をしている分、家の中の温度が一定っていうのが、すごい安らぐというか、いいなと思ってます。農家だからこそ、ありがたさもより感じられるっていうのはあるかもしれません」。 お友達や、お客さまが訪れたときも「なんでこの家こんなあったかいのとか、なんでこんな涼しいのとか言われることもある」と奥様は話します。
瓦の屋根、白い壁、黒い木の腰壁の組み合わせが美しい、純和風スタイルの外観。
意匠性の高い入母屋屋根の玄関が目を引きます。
入母屋屋根の玄関は、庇が広く取られているのも特徴のひとつで、雨や日差しを防ぎます。
美しさと機能性を兼ね備えた玄関になります。
南西に面した縁側部も、間取りはそのままにリフォーム。
ジャッキアップによって、家を水平と垂直に直します。
建物全体の構造が安定して、地震や台風に対して耐久性が増し、更に長持ちするようなります。
玄関の土間と床の段差は上がりやすい高さに設計。
広くてゆとりのある玄関スペースです。
床下、壁、天井に断熱材セルローズファイバーを入れ、窓はシャノンの樹脂サッシにして、高断熱・高気密の快適空間に。
「今までの家とはもう全然違います。エアコンはつけっぱなしにして、室内の温度は安定していて、快適に過ごさせてもらっています。冬もやはり同じで、外がどんなに寒くても家の中は快適な状態ですね」とご主人。
奥様も「足元が冷たいってこともないですね。リフォームが始まる前、着工までのひと月くらいの間、この母屋に住んでいたことがあって、その時はもう寒くて寝られなかったですね。もちろん300年前の建物だから、すき間風がすごいので、ストーブをいくら焚いても足先が冷えちゃって。それと比べると今天国ですよね」と話します。
昔ながらの土間の台所に床を造りフローリングの仕様に。使いやすいシステムキッチンを取り付けました。
奥様は「オール電化にして、古民家だけど、今便利なものはしっかり取り入れてもらっているので、とても住みやすいですね」と暮らしやすさも実感されているようでした。
壁、天井はオレンジ系の塗り壁で仕上げています。
残した梁が印象的なアクセントになっています。
昔ながらの和室の差し鴨居、長押、廻り縁、天井はそのまま残して、壁を塗り替え、畳を交換して趣を残しました。
「全体の統一感や、色合いとかも自然で、すごく気に入っています」と奥様。
普段は戸を開け放して、家全体をひとつの空間のようにして、暮らしているとのこと。
寝室もいつも開け放しで、サーキュレーターで風を循環させているといいます。
「どこ行っても同じ温度なのですごく助かってます。常時稼動しているエアコンは、このリビングの1台です。こんなに一年中つけていても電気代はお安いなっていうのはすごくわかります」
高気密高断熱なので室温は安定し、省エネにもなるので、光熱費の節約になります。
心地よい柔らかな光が差し込む縁側。
縁側は多目的に使用できるスペースでもあります。椅子をおいて読書をしたり、昼寝をしたり、自由な空間になります。
「鳥の声とか今聞こえてますけど、私は外の音がいい加減で聞こえないっていうのがよくて、大風の時とか、雷とかでも、ここでは何か守られている感じがします」 と奥様は話します。
「なんか安心できるというか、その古くからずっと続いてきて関東大震災も乗り越えてきたお家だから、多分風ですごい揺れても壊れないだろうなと思っています。3年前の台風(令和元年房総半島台風)の時もすごく安心感があって、結局この家はどこも壊れなかったんですよね。窓ひとつ割れず。ほんとに頑丈につくっていただいたんだなっていうのが分かりました。いつも不安なく過ごせているなって」と、快適さや安心を感じていただけている住まいになっていました。